親鸞聖人伝絵 下

第七段


文永九年(1272年)の冬、東山の大谷にあった親鸞聖人のお墓を、同じふもとの西、吉水の北のほとりに移し、お堂を建てて聖人の御真影を安置しました。

この時から聖人の教えが再び本格的に広がり始め、聖人ご生前の昔をしのぐ盛況ぶりとなりました。
信者は国中に満ちあふれ、念仏の教えはさらに隅々まで行き渡り、念仏に帰依する者は数限りないありさまです。

その真実の教えを大切なものとして敬い、聖人への感謝の気持ちを押さえ切れない人々は、出家者、在家、老若男女を問わず、みなこの親鸞聖人の廟堂へ参詣に訪れるのでした。

親鸞聖人の生涯には他にも様々な逸話があってが数え切れないほどですが、ここでは省略させていただきます。





目 次 へ