【その12】 お葬式はどのようにすればいいのですか

お葬式は人生の最後、人生という学校の卒業式です。人間として最も大事な儀式です。ご縁のあった方々との最後のお別れの式ですから、故人に代わって近親者が勤めます。


故人が、人間の最後のすがたを私たちに示すことで、本当に大切なものは何かと問いかけておられるのです。派手にお葬式をする必要はありません。厳粛に勤め、故人とのお別れをしましょう。


身内が亡くなりましたら、まずお寺へ連絡し、次いで葬儀社にお願いしましょう。


真宗では、お内仏の扉は閉めません。ご遺体をお内仏の近くに安置し、輪灯を点(つ)けます。お内仏がない場合は、名号または絵像の本尊を掛けて、その前に卓を置き、三具足(香炉・燭台・花瓶)にします。花は樒または青葉を用います。


また、ご遺体に敬意を表す意味で、香を燃じ続けます。ご遺体にお化粧をしたり、ヒゲを剃ってあげるのと同じです。これを「不断香(ふだんこう)」といいますが、絶やしてはいけないということはありません。

線香は香炉の灰に突き刺して立てないでください。
香炉に入る適当な長さに折って、灰の上に寝かせて置きます。

不断香に渦巻き状の巻き線香を用いるのは構いません。



こうして枕かざりが整ったら、枕勤め(枕経)の勤行をします。



お通夜は、葬儀(告別式)の前の晩の勤行のことを言うようになりましたが、親族・知人が集まって故人をしのび夜通し(夜伽)をすることを指します。



葬儀のときは、念珠を忘れずに持ってください。焼香の作法は、二撮(にさつ)〔香を二回くべる〕して、合掌礼拝します。



遺骨を拾い斎場(火葬場)から戻ったら、還骨勤行(お骨あげ)をします。



以後、満中陰(いわゆる四十九日)まで、お内仏の正面、またはその脇などに「中陰壇」を設け、法名と遺骨を安置します。


お内仏には白の打敷を掛けます。白打敷がない場合は、通常の打敷の白い面を表にして掛けても結構です。(不幸事だから裏返すのではありません。)


お内仏と中陰壇の両方とも三具足にし、お仏供と仏花を備えます。仏花は、青木に白または黄色の花などを添えます。


中陰の間、灯明(輪灯の電球)は点けておきます。ローソクはお内仏、中陰壇とも「銀濃(ぎんだめ)」という銀色のものを用います。(白いローソクは銀濃の代用です。)火を点けるのは勤行のときだけで結構です。

お参りのときに香を燃じますが、「不断香」をする必要はありません。



初七日(しょなぬか)、二七日(ふたなぬか)……七七日(満中陰、尽七日)というように、七日ごとの勤行をします。


満中陰の勤行の後は中陰壇を撤し、お内仏も白打敷を外して平常に戻します。


納骨は、満中陰後、適当な時にされるといいでしょう。


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