【その9】 真宗ではなぜ戒名といわず法名というのですか

「戒名(かいみょう)」とは、戒を授けられた人に与えられる名前です。仏教徒として戒律を守ることを誓い、実践する者が授かる名前です。


しかし、真宗では「戒名」ではなく、「法名(ほうみょう)」を授かります。なぜなら、阿弥陀如来は、衆生を救うのに戒律の実行を条件とはされないからです。


法名は、如来からいただいた信心(他力の信)の名なのです。仏法を聞きお念仏を申す人は誰もが仏弟子です。「帰敬式(おかみそり)」という儀式を受け、男性は「釈○○」、女性は「釈尼○○」と、お釈迦様の「釈(しゃく)」の一字を冠した法名をいただきます。



生前に法名をいただかなかった故人には、葬儀の際に法名を授けます。また、法事のときは、俗名ではなく「(法名)釈○○の△回忌法要」として勤めます。しかし、それは法名が「あの世での名前」だからではありません。

法名のもとでお勤めされる法事で、有縁の人々が仏法に出遇い、新たに念仏に生きる人が誕生する機縁となっていきます。そんなところにも、「戒名」ではなく、「法名」と呼ぶ理由があるのではないでしょうか。


法名は生前にいただくべきものです。仏弟子として、終生聞法を心がけ、念仏を申し続けていきましょう。


帰敬式の受式、法名の授与を希望される方は、お寺に相談してください。


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