2004年11月
本山御正忌見聞録
2004(平成16)年11月21日〜28日の真宗大谷派(お東さん)の報恩講についてのノートを公開します。 |
11 月 21 日 (日) |
12:00 | ▼准堂衆、研修道場に集合 | |
13:00頃 | ▼准堂衆習礼(正信偈句淘の稽古) | ||
13:20頃 | ▼准堂衆出仕者へ内局から挨拶 | ||
13:50頃 | ▼准堂衆は、堂衆部屋へ挨拶、続いて阿弥陀堂後堂へ。 ※御影堂が修復工事中なので、今年は阿弥陀堂において報恩講を勤める。 |
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14:00 | 初逮夜 | ▼両尊前(阿弥陀如来と祖師)に打敷・五具足・立燭。他は打敷なし・三具足・木蝋。 ▼楽あり。 ▼「善導」後に蝋立替、念仏二重附膚で切燭。 ▼正信偈句淘(淘十)、念仏讃(淘十)、七遍反、廻向(世尊我一心)。 ▼初讃「弥陀成仏ノコノカタハ」位上曲につき念仏申し詰め(六字詰め)、「イマニ」は御後ろのみが附ける。 ▼内陣の正信偈の本の扱い:「善導」の頁は調声後、助音に入ってからめくっている様子。 |
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16:00頃 | 初夜勤行 | ▼改悔批判につづいて初夜勤行。准堂衆2名が正信偈・同朋奉讃を勤める。直綴・墨袈裟。 | |
11 月 22 日 (月) |
6:00 | ▼起床 | |
▼准堂衆控室でミーティングの後、後堂へ | |||
6:50 | 初晨朝 | ▼阿弥陀堂にて漢音阿弥陀経(真読:いつもより高い目に、ややゆっくり。外陣堂衆の首座が鈴で始経)、短念仏ナンダ十遍、廻向(我説彼尊功徳事)。太子の御命日につき、続いて嘆仏偈、御早引念仏讃、廻向。 ▼御影堂にて正信偈(中拍子)、念仏讃淘十、七遍反、廻向(我説彼尊功徳事)、百遍念仏。 ▼和讃「道光明朗」の四句目「解脱ヲウ」の「ウ」は「う」で勤めていた。 ※ある方が堂衆に確認してくださり、「漢音阿弥陀経で使用しているのは砂張ではなく鈴(れい)である」「路念仏の鈴の、紐と座布団を外した物である。そのため、底に穴があいている。打ち方も砂張りとは異なり、普通に打つ」ということでした。 |
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9:40 | ▼准堂衆、控室に集合。 | ||
10:00 | 初日中 | ▼楽あり。(出仕前の喚鐘はない。) ▼出仕時、内陣の藺草履は後門上がった所に並べてあった。 ▼伽陀五章(淘十)、文類偈早草、念仏讃(淘十)、廻向(願以此功徳)。 ▼式間念仏の調声は、伽陀四句目の下の句の高さ。 ▼伽陀「身心毛孔」で蝋立替。 |
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14:00 | 逮夜 | ▼楽なし。出仕喚鐘あり。内陣上臈出仕。法具なし。総礼中に焼香。 ▼讃卓は内陣に出ている。正信偈の本は和讃本の下。 ▼正信偈句切、念仏讃(淘十)、五遍反、廻向(我説彼尊功徳事:ナガシあり)。 |
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初夜勤行 | ▼逮夜後、坂東曲の練習。 ▼改悔批判につづく初夜勤行を、准堂衆2名が勤める。 |
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11 月 23 日 (火・祝) |
6:50 | 晨朝 | ▼出仕喚鐘あり。 ▼阿弥陀堂にて漢音小経(真読)、短念仏ナンダ十遍、廻向(我説彼尊功徳事)。 ▼御影堂にて正信偈(草四句目下)、念仏讃淘十、五遍返、廻向(世尊我一心)、百遍念仏。 ▼お仏供は出ていない。(晨朝後に出す。) |
10:00 | 日中 | ▼楽なし。出仕喚鐘あり。内陣、上臈出仕。宣心院殿が登高座。登壇者のみ挿鞋、門首と他の入内者は藺草履。法具なし。 ▼讃卓は出ている。南の向畳の御讃卓には蓋(覆い)がされている。竪畳の巡讃卓は、北に2脚、南に3脚(門首を含めて6脚出すということか?)なお、巡讃卓のうち2脚は南北とも連枝の席にあり、南の定衆席に1脚置かれている。巡讃人のみ和讃本を開き、巡讃をしない者は開かない。 ▼伽陀五章(淘八)、文類偈早草、念仏讃淘十、廻向(願以此功徳)。続いて恩徳讃斉唱。 ▼伽陀内陣発声。 ▼「身心毛孔」で切燭。 ▼式間念仏は、登壇者の次席の者が調声。今日の登壇者は北の竪畳2席目の方だったので、式間は南の竪畳2席目が出す。因みに巡讃は一首目=北1席目、二首目=南1席目、三首目=北3席目。 |
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▼日中後、准堂衆参勤者の記念撮影。 | |||
14:00 | 逮夜 | ▼楽なし。喚鐘あり。上臈出仕。 ▼正信偈句切、念仏讃淘十、五遍反、廻向(我説彼尊功徳事:ナガシ)。 ▼讃卓出ている。撤卓なし。 ▼二重念仏で切燭。 |
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▼逮夜後、准堂衆は坂東曲の練習。 | |||
16:00頃 | 初夜勤行 | ▼初夜勤行を勤める者は、御文法話、改悔批判の法話が終わるまでに後堂へ行き待機する。 ▼立燭なし。撚香のみ。 ▼堂衆からの「案内」に従い出仕。正信偈草四句目下、同朋奉讃。総礼の合掌のまま恩徳讃。 |
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11 月 24 日 (水) |
6:50 | 晨朝 | ▼阿弥陀堂にて漢音小経(真読)、短念仏ナンダ十遍、廻向(我説彼尊)。 ▼御影堂にて正信偈(草四句目下)、念仏讃淘十、五遍反。廻向(次第では世尊我一心だが、調声人が「我説彼尊…」と調声をした。門首の代声ゆえ、調声に従って廻向を我説彼尊に変更。) ▼和讃「尊者阿難座ヨリタチ」次第六首。 |
10:00 | 日中 | ▼楽なし。上臈出仕。信悟院殿が登高座。法具なし。登壇者のみ挿鞋、他は藺草履。 ▼伽陀五章(淘八)、文類偈早草、念仏讃淘十、和讃「無碍光仏ノヒカリニハ」次第三首、廻向(願以此功徳)。続いて恩徳讃斉唱。 ▼南竪畳首座が登高座。登高座の時は時計回りに進むので、後門を通って北へ周り登壇。下高座の時は南へ進んで前卓過ぎで戻って復座。 ▼式間念仏は北2席目。 ▼巡讃卓は昨日と同様、北に2脚、南に3脚出ている。巡讃三首目は上座一等の方が調声。その方の讃卓のみ配卓される。撤卓はなし。 ▼廻向中に掛役が登壇者の挿鞋直し。 |
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▼日中後、准堂衆は坂東曲の練習。 | |||
14:00 | 中逮夜 | ▼楽あり。下臈出仕。法具の御畳飾りはなし。配卓・撤卓あり。あらかじめ南竪畳の御讃卓も後堂へ引いてある。 (蓮如上人御命日逮夜と兼修なので、蓮如上人の尊前にも立燭と焼香がされたはず。) ▼正信偈句切、念仏讃淘十(和讃「弥陀成仏ノコノカタハ」次第五首、六首目「弥陀ノ名号トナヘツゝ」)、五遍反、廻向(世尊我一心)。 ▼出仕後の総礼中に堂衆が焼香。 ▼「善導」後に蝋立替。 |
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初夜勤行 | ▼逮夜後、准堂衆は坂東曲の練習。続いて御伝鈔拝聴役の練習。 ▼初夜勤行の後、花瓶の花の取り替え。 |
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18:00 | ▼本山主催の懇親会。(准堂衆と楽僧) | ||
11 月 25 日 (木) |
6:50 | 中晨朝 | ▼源空上人御命日につき兼日中。阿弥陀堂南余間(六祖之間)御影前にお仏供。北余間はなし。三尊前立燭。上臈出仕。総礼中に三尊前焼香。讃卓出ている。 ▼漢音小経(真読)、短念仏、廻向(我説彼尊)。続いて嘆仏偈、御早引、廻向。 ▼御影堂にて正信偈(草四句目下)、念仏讃淘十、和讃「本師龍樹菩薩ハ」次第六首、五遍反、廻向(我説彼尊)、百遍念仏。 |
10:00 | 中日中 | ▼楽あり。下臈出仕。法具・座具出る。配卓・撤卓あり。 ▼伽陀五章(淘八)、文類偈早草、念仏讃淘十、和讃「生死ノ苦海ホトリナシ」次第四首。 ▼「身心毛孔」で蝋立替。 |
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14:00 | 逮夜 | ▼楽なし。上臈出仕。讃卓出ている。御伝鈔、飾り付けられている。 ▼正信偈句切、念仏讃淘十、和讃「釈迦ノ教法オホケレド」次第六首、五遍反、廻向(我説彼尊)。 |
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初夜勤行 | ▼准堂衆2名。正信偈、同朋奉讃。 | ||
御伝鈔拝読 | ▼初夜勤行に続いて御伝鈔拝読、続いて後夜勤行、恩徳讃斉唱。 ▼拝読者が交替したら蝋立替。御絵伝の蝋燭の立替は切り戸から出入り。雁木も切り戸から出し入れ。 |
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後夜勤行 | ▼御伝鈔拝読に続いて後夜勤行。勤行の前に撚香はなし? ▼正信偈舌々、短念仏、廻向。合掌のまま恩徳讃斉唱。 |
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11 月 26 日 (金) |
6:50 | 晨朝 | ▼阿弥陀堂にて漢音小経(真読)、短念仏ナンダ十遍、廻向(我説彼尊)。 ▼御影堂にて正信偈(草四句目下)、念仏讃淘十、和讃「尽十方無碍光仏」次第六首(四首目は添えではなく通常の和讃として勤める)、五遍反、廻向(世尊我一心)。 |
10:00 | 日中 | ▼楽なし。上臈出仕。出仕喚鐘あり。信明院殿が登壇。讃卓出ている。 ▼伽陀五章(淘八)、文類偈早草、念仏讃淘十、和讃「イツゝノ不思議ヲトクナカニ」次第三首、廻向。 ▼「身心毛孔」で切燭。 |
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▼日中後、准堂衆は坂東曲の習礼。 | |||
14:00 | 逮夜 | ▼楽なし。出仕喚鐘あり。上臈出仕。讃卓出ている。1脚配卓。 ▼正信偈句切、念仏讃淘十、和讃「専修ノヒトヲホムルニハ」次第六首、廻向(我説彼尊:ナガシ)。 ▼二重念仏で切燭。三首目調声に掛かったとき、掛役は前卓の脇で軽く平伏した姿勢で控えて待つ。 |
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▼逮夜後、准堂衆の坂東曲習礼。 | |||
初夜勤行 | ▼祖師前の金灯籠(御面灯)は、逮夜過ぎに吊し晨朝過ぎに下ろす。 | ||
11 月 27 日 (土) |
6:50 | 晨朝 | ▼阿弥陀堂 焼香なし。漢音小経、短念仏ナンダ十遍、廻向(我説彼尊)。南余間(六祖之間)に移り勧衆偈、御早引念仏讃(道綽讃、つづいて善導讃)、廻向なし。 ▼御影堂にて正信偈(草四句目下)、念仏讃淘十、和讃「三恒河沙ノ諸仏ノ」次第六首、五遍反、廻向(世尊我一心)。 |
10:00 | 日中 | ▼楽なし。上臈出仕。連枝が登高座。卓出ている。登壇者以外は藺草履。 ▼伽陀五章(淘八)、文類偈早草、念仏讃淘十。 ▼「身心毛孔」で切燭。 |
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14:00 | 結願逮夜 | ▼大逮夜。楽あり。下臈出仕。法具の御畳飾りはなし。配卓・撤卓あり。 ▼正信偈句淘(淘十二)、念仏讃淘十二、和讃「五十六億七千萬」次第六首、廻向(世尊我一心)。 ▼「善導」の後、燭立替。二重念仏で切燭。 ▼「五十六億七千萬」位上曲、念仏申し詰め。 ▼和讃五・六首目の調声の中淘、5本になっていた。位上曲のため?二重和讃も、最後がオクリにしているように聞こえた。 ▼西本願寺の門主の御親香:法要中、本派の門主が北余間に出仕。廻向、総礼に続いて楽中に中尊前卓の前に華籠台を(参衆が)置き〔そのため礼盤は出ていない〕、後門から香炉と香盒を出す。準備が整うと、式事の先導で本派門主は祖師前檀際〜後門を通り、反時計回りで中尊前へ行き、焼香。そして来た経路を引き返し後堂から退出する。楽喚鐘が入り、退出楽に切り替わる。 退出時、門首が先に退出(本派門主を送るため)。他の入内者は下臈出仕。 ※礼盤は、華籠台を置くには内陣が手狭なので下げている。1999年・御影堂での時は、礼盤はそのままで華籠台を据えていた。 |
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初夜勤行 | |||
17:00前 | ▼初夜過ぎに式務所出仕者控え室にて、坂東曲習礼(連枝、堂衆、准堂衆)。 | ||
11 月 28 日 (日) |
5:30 | ▼起床 | |
6:30 | 結願晨朝 | ▼阿弥陀堂にて漢音小経(真読:高くゆっくりと)、短念仏ナンダ十遍、廻向(我説彼尊)。 ▼御影堂にて正信偈(真読)、念仏讃淘十二、廻向(我説彼尊)、百遍念仏。 |
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10:00 | 結願日中 | ▼御満座。楽あり。法具・座具あり。 ▼伽陀七章(淘十二)、坂東曲(乙)、文類偈早草、念仏讃淘十二、和讃「三朝浄土ノ大師等」次第三首、廻向(願以此功徳)。 |
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▼退出後、准堂衆は堂衆部屋へ挨拶に。 ▼研修道場(宿泊所)を清掃後、解散。 |