オートバイレース


オートバイレースの種類(カテゴリー)

オートバイ(2輪車)によるレースには、主にサーキットで開催される「ロードレース」とオフ・ロードを走行する「モトクロス」の他、崖や岩場など障害物のある難所をバイクで通り抜ける技術を競う「トライアル」、俗にゼロ・ヨンと呼ばれる「ドラッグレース」など様々な種類があります。

(参考)日本モーターサイクルスポーツ協会(MFJ)のホームページ:http://www.mfj.or.jp/

以下、それぞれのレースの特徴について説明します。

@ロードレース

4輪のF1が走るのと同じアスファルトなどで綺麗に舗装されたコースを周回して競うのが「ロードレース」です。

クラスによっては最高時速が300qを超えることもあるので、ライダーには全身を覆う革ツナギやフルフェースタイプのヘルメットの着用などが義務付けられています。

レースの方式から見れば、決められた周回数を早く走りきった者が勝者となる「スプリントレース」と、1台のバイクを、決められた人数(2人ないし3人)のライダーが交替で運転して、(原則は)決められた競技時間の最後までマシンを走らせ続けることができたチームの中でより多くの周回を走行したチームが勝者となる「耐久レース」に大別されます。

世界選手権(グランプリ=GP)がスプリントレースの代表です。

耐久レースは、毎夏、鈴鹿サーキットで開催される「8耐」こと「鈴鹿8時間耐久ロードレース」が有名です。外国では24時間耐久レースも開催されています。

車両から見ると、競技専用車両で行うレースと、市販車をベースに改造を行った車両で行うレースに分けられます。

GPに使用される車両は前者に当たり、耐久レースは後者に当たります。

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Aモトクロス

未舗装の土の道を走るモトクロスは、主流はスプリントレースですが、ロードレースの「耐久」に相当する「エンデューロ」も行われています。

ロードレースに比べてライダーやマシンの動きが激しいので、ライダーの衣服も布製で動きやすいものを使用します。転倒が多い競技なので、身体をガードするプロテクターを装着します。

滑りやすい荒れ地を走り、空中高くジャンプをしたりするので、モトクロス用の車両はロードレースのに比べて車輪が大きく、車高も高く作られています。


モトクロスの仲間に「ダートトラック」があります。(下のD「ダートトラック、オートレース」の項を参照。)

★もっと詳しい説明はこちら★
(工事中)

Bトライアル

コースの途中に設定された採点区間(セクション)を通過する技量を競う競技なので、いわゆる「スピード競争」ではありません。

自然の地形を利用した急峻な崖や坂を越えたり、岩場を通り抜ける他、人工的に障害物を設置したコースで行われる「スタジアムトライアル」もその一種です。

セクションを通過する際に転倒やエンスト、マシンの後退はもちろん、足を着いた場合でも減点されます。

人車一体となって、いかにミスを少なく通過するかが大切な競技です。

以前、ホンダからRTL250Sという公道を走行できるトライアルモデルが市販されていましたが、実際の競技は専用の競技用車両によって行われます。
セクションを通過する際にはシートに腰を降ろすことはないので、最近の競技車両には最初から座席(シート)が付いていません。

Cドラッグレース

直線路を2台が静止状態から同時にスタート(併走)して、1/4マイル(約400b)先のゴールラインを先に通過した者が勝者となるトーナメント方式で行われます。

特にオートバイメーカーから専用車両が販売されている訳ではなく、規則の範囲内で各自が改造した車両によって競います。

スタート時に前輪が浮き上がらない(ウイリーしない)ように、車両の後部に補助輪が装着されているのが特徴です。

Dダートトラック、オートレース

ダートトラックは、グラウンドのような整地された土の長円コース上を周回するものですが、ジャンプをする必要がないので、車高は低く作られています。

現在流行しているホンダの「FTR」というバイクは、元来ダートトラック用の車両を模して開発されたものです。

米国では盛んに開催されていて、ロードレースの著名な選手の多くは幼少期からダートトラック競技で旋回時に意識的にタイヤを「滑らせる」走法を体得し腕を磨いています。

元SMAPの森且行さんがプロレーサーになったことで有名になったオートレースは、ダートトラックのコースを舗装路に置き換えた物と考えて下さい。ただ、オートレースは公営競技のため、一般的な競技会としては開催されていません。

(参考)オートレースのオフィシャルサイト:http://www.autorace.or.jp/index.html


Eサイドカー

側車付き2輪車のロードレースです。

サイドカーは2人乗りの競技です。つまり、ライダー(ドライバー)の他にもう一人、パッセンジャーが乗車します。

サイドカーは、2輪車に側車がついた3輪という左右非対称な構造のため、右旋回と左旋回ではその特性が大きく異なるため、パッセンジャーはコーナーに応じて右へ、左へと移動してバランスを取る重要な役割を務めます。

左コーナーでは側車側が浮き上がってしまわないように、パッセンジャーは左に移動しています。
右コーナーを通過する場合はパッセンジャーはこのように右側へ移動します。

以前は世界GPにもサイドカークラスがあり、今でもヨーロッパでは根強い人気があるそうですが、国内では車両の入手や整備が困難なためか競技人口が少なく、レースへの参加台数は僅かです。(150t程度のミニサイドカーのレースがあるようですが…)

車両は独自に車体を製作しているチームもありますが、LCR(ルイ・クリスチャン・レーシング)社製のフレーム(車体)に市販車からのエンジン(4サイクル・1000cc以下)を搭載するのが主流です。

一般的なオートバイがシートに着座して操縦するのに対して、レーシングサイドカーでは膝をついた状態で運転するため、「ニーラー」と称されます。

(参考)サイドカーレースを続けている大関選手のHP:http://www2u.biglobe.ne.jp/~ozeki/index.html

Fスーパーバイカーズ

ロードレースとオフロードを合体させた競技です。

アスファルト舗装の区間とダート(オフロード)の区間が混在するコースを周回します。

競技専用車両は存在しないので、市販車からの改造マシンを使用します。オンロード用をベースにした車両とオフロード用車両を改造したものがありますが、カワサキの「D.トラッカー」の様にオフ車の車輪を小径の物に換装した車両が主流になっています。

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