御遠忌法要次第(例)


真宗大谷派における伝統的な御遠忌法要の結願日中式次第のモデルと、法要中における注意点を挙げてあります。

一般末寺ではこのような次第で勤めることはまれかも知れませんが、宗祖聖人、蓮如上人の御遠忌法要の参考になればと思い掲出します。

結願日中 式次第 注意点
乱   声
※次第はこのままで、次第案内の時に「着座楽で出仕」と告知し乱声を略するも可。
▼楽僧出仕、外陣出仕、伽陀師出仕(内陣伽陀)の順で進め、発楽喚鐘を打つ(楽が出る)。
▼三管そろって壇行事(内陣出仕の案内)を始める。
▼内陣出仕が終われば楽止喚鐘。
 出  仕 .......... 下臈出仕
着 座 楽
総   礼
▼楽が止まったら総礼。座配は後門から導師が合掌を解くのを確認して、伽陀師に発声の合図をする。
伽   陀  稽首天人..... 附  物
登 高 座 楽
▼導師の挿鞋直しの後、後門から登壇の合図にて登壇。
▼登壇が済めば楽が止まる。導師焼香時に合焼香。(焼香のタイミングを知らせてもらうように入内法中に事前に依頼をしておくこと。)
 登 高 座
表   白
伽   陀  先請弥陀..... 附  物
▼導師の所作が見えない場合、御代前側の入内法中が伽陀師に発声の合図をする。(事前に打ち合わせの事。)
▼伽陀の助音に入って御代前側から出て表白を引き、祖師前側から出て座配が御経箱を出す。続いて掛役が内陣配経。
御   経  仏説無量寿経(抄) 音木有之
伽   陀  万行倶廻..... 附  物
▼内陣撤経。外陣のキン役は経キンから平キンへ移動。
賦 華 籠 楽
▼伽陀が終わると楽が出る。入内法中の賦華籠を終えて楽止喚鐘。法中の挿鞋直しは不要。
※伽陀師が行道をしない場合は伽陀師に賦華籠しない。行道をする場合は堂達を兼ね、導師の前を行道する。(散華はしない。)
漢音阿弥陀経
▼「舎利弗」の調声後、座配が導師の賦華籠に(祖師前側から)出る。
▼散華が済んだら、座配が導師の撤華籠に出る。
 行道散華
撤華籠楽兼下高座楽
▼(楽で替香炉・飾り替え、替香盒、雁木引く。)
▼導師、下高座。
▼導師着座後、入内法中の撤華籠、続いて蝋燭立替、楽止喚鐘。
 下 高 座
伽   陀  若聞此法..... 附  物
総   礼
願 生 偈
▼「我依修多羅」調声後に配卓。
 念 仏 讃  淘八..三重念仏 附  物
▼二重念仏附膚で座配・掛役は余間拝礼に出る。三重附膚で下がる。(拝礼に出るのは結願日中のみ)
  和 讃  三朝浄土ノ大師等 次第三首
回   向  願以此功徳.... 附  物
▼撤卓、導師の挿鞋直し。
総   礼
退 出 楽
▼合掌を解いたら楽が出る。
▼法中への退出の合図は、須弥壇のために向かい側の出仕者が見えない末席の者にだけするもの。上席の者は、向かいの者と計って退出する。
 退  出 .......... 下臈退出
▼内陣退出が済んだら楽止喚鐘。伽陀師退出、外陣退出、楽僧退出。
以 上




大谷派の儀式の目次へ 戻 る